7月29日(土)にアツーい中行われた『夏のゲストハウスで一箱古本市』。

みなさん聞いたことありますか!?
吃音(きつおん)の症状がある僕のひと夏の挑戦について書いてみました。

開催地である「ゲストハウス 彩(いろどり)鎌倉」は、その日が
プレオープンイベント、多くの人たちが足を運んでくださいました。
当日、僕は一時間前に会場入り。すでに店主の方たちが続々と準備をしに来ておりました。
緊張が隠せなかったけど、仲間の存在はありがたかったです。

 

一箱古本市とは…

 

誰でも自由に「店主」となって「本屋さん」を楽しむイベントです。
個性あふれる本をみかん箱一箱分持ち寄って、いくらで売ろうかな、
どうやって並べようかな、など自由に考えながら一日本を売ります。

吃音(きつおん)とは…

吃音(きつおん)について、ここでざっと説明。

  • ことばを円滑に話せない疫病、障害。
  • 症状……主に三種類あると言われています。

話をするとき、同じ音を繰り返す。「こ、こ、こ、こんにちは」(連発)

音を伸ばして話す。「こーーんにちは」(伸発)

最初の音がなかなか出てこない。「…………こんにちは」(難発)

ちなみに僕は「伸発(しんぱつ)」と「難発(なんぱつ)」の症状が、
緊張すると特に出やすくなります。

NPO法人どーもわーくさん制作
「これだけは知って欲しい吃音のこと 10」
https://kitsuon-panph.domo-work.com

 

「きつおん文庫」の店主の一人として本を売ってみたよ!!

 

 

さて、そんな吃音持ちの僕が出店者として本を売ることに挑戦。
屋号(お店の名前)「きつおん文庫」。けっこう斬新な屋号だと思いました(笑)

 

吃音を持っている仲間と力を合わせてお店をかわいくレイアウト。

 

 

うちわで作った素敵な看板も手作りしました!!

 

 

 

 

「きつおん文庫」の店主四人は古本市に出店者として参加するのは初めて。
なので手探りで打ち合わせを重ねてきましたが見事形になり、
ほんとうにたくさんの方が「きつおん文庫」に足を運んでくださいました。

 

「私の友達も吃音です」「吃音って具体的にはどういうの症状のことなの?」
「吃音の本ってどういうのがあるの?」

などといった会話が交わされ、多くの方に吃音について知ってもらい、
また僕自身も多くの方とコミュニケーションをとる機会になりました。

 

もちろん吃音だけではなく、店主四人それぞれ持ち寄った個性光る
小説、漫画、雑貨などもたくさん紹介することができました。

 

まだまだ家に本があるので、また参加したいです!!

 

絵本の読み聞かせに挑戦!!

 

そしてもう一つ、僕にとっての一大イベント。絵本の読み聞かせ。
たぶん今年一番の緊張(汗)。

 

店主の仲間の一人と協力して絵本を選ぶところから始まり、
それから何度も打ち合わせをして、本番まで練習をしました。

「上手に言おう」とか、「スラスラと流れるように」ということではなく、
抑揚をつけたり、読み上げることばに合わせて
手を動かしてみたりなど工夫をして、僕たち流の読み聞かせにしようと考えました。

 

 

いざ本番。最初の挨拶を終えて、読み聞かせのはじまりはじまり。

 

やっぱり緊張。もしかしたらこんなに大勢の前で話すのは久しぶりかも?
お客さんが何人いたのか、緊張しすぎて覚えてない(笑)
30人? 50人? もっといたっけ?

つっかえながら読んでも、目の前で聴いてくれる人がいて、
その人たちになんとか読み聞かせようという思いで声を出し続けました。

気づけば声もどんどん大きくなりました。

後ろの方にいるお客さんまで届けたい。何度つっかえても前に進んでいるんだ。僕は絵本を握りしめながら、最後まで読み切ることを目標に声を出しました。

 

 

バックには夏らしく心地よいウクレレのメロディが流れ、とてもいい雰囲気。位置の関係で絵本が見えにくかったお客さんも、ウクレレのメロディと読み聞かせの声が聴こえてきて、目をつむっていても聴けました、と感想をおっしゃってくれました!

 

吃音者が一緒に読むと、不思議。どもらない

 

聴いている方たちの中で一番印象に残っているのは、最後に二人で声を合わせて読み上げたところでしょうか。僕は一人で読むとつっかえたり、どもってしまうことが多いのですが、他の人と声を合わせて読むと、つっかえたりどもったりすることがなくなります。これは僕にとっても驚きだったのですが、聴いている方たちも同じように驚いておられたようでした。

 

 

ことばがうまれる瞬間に…

絵本の読み聞かせのあと、たくさんの方から感想をいただきました。

「つっかえながらでもストーリーが頭に入ってきた」「ゆっくり読んでいるから絵に集中できた」「最後に二人で読んだとき、すらすら読み上げていて驚いた」

僕が一番印象に残ったのは、「ことばがうまれる瞬間に立ち会った」という感想です。

この感想を耳にして、もしかしたら僕が絵本の読み聞かせに挑戦しようと思ったのはこのことをたくさんの人に伝えたかったからなのではないかと考えました。

僕たちはいつも当たり前のようにことばを発しているけれど、当たり前すぎてどのように相手に伝わっているかを考えない。どのようにして相手に伝えようとしているのか、その根本的なことを僕は聴いてくれた人に伝えたかった。僕のこの「どもってしまう」話し方で感じてくれるといいのにな、という想いがありました。

そしてたくさんの人に、その想いは伝わったと思います。

 

 

株式会社i-link-u(あいりんくゆー)
【多様性は、多視点(バラエティ)で多彩(カラフル)。もっと面白い社会へ】
KEEP Differentを合言葉に活動、共創する社会を目指しています。現在登録者500人、主にイベント、ワークショップ、スタディツアーなどへ参加してくれた方で障がい者手帳を持たれている、 見えない人、聞こえない人、車いすユーザーの方、杖歩行の方、精神、知的、発達障害の方など とともに自立し、観光案内事業所、ゲストハウス運営でインクルーシブに社会に貢献していきます。
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